福岡市立こども病院

放射線部

部門紹介

放射線部では、一般撮影(X線単純撮影)、造影検査、CT・MRI・RI(核医学)検査など、放射線や磁気を利用していろいろな画像検査を行っています。装置等は、小児撮影に適するように様々な小児固定具の導入や作製、患児の動きに対応して短時間での撮影などを行っています。検査画像は電子的に保存され、電子カルテにて当日及び過去に撮影された画像をすぐに提供できる体制ができています。

検査内容

X線を使用する検査をお受けになる方へ

妊娠の可能性がある方は、主治医又は検査を担当するスタッフにお伝えください。

1.一般撮影(X線単純撮影)

X線を利用し、胸部や腹部、全身の骨を撮影します。X線撮影室だけでなく、病室や手術室などでも撮影をします。撮影後はコンピュータ画像処理装置を使って、診断に最適なX線画像を提供し、院内各所にある電子カルテや画像モニターでX線画像を見ることができます。

一般撮影(X線単純撮影)イメージ

一般撮影(X線単純撮影)に関するお願い

  • ・撮影の緊急度が高い患者さんについては優先して撮影します。
  • ・撮影は2~3部屋で行っておりますが、撮影する部位や年齢によっては特定の部屋の専用装置を使用するため、撮影の順番が前後する場合があります。
  • ・保護者の方に撮影のお手伝いをお願いする場合があります。

2.造影検査

X線透視装置を利用し、食道から大腸の消化器系、腎臓から膀胱の泌尿器系、股関節などの関節内を、造影剤を使って透視及び撮影をします。

当院では、より少ないX線量で検査を行えるように、X線を検出する受像器も高感度に設定しています。また、目的部位以外にX線が当たらないよう前もって光照射野で確認し、適切な範囲でX線を出すなど被ばく低減に努めています。

造影検査イメージ

3.CT検査

X線を使って身体の輪切りの画像(断面図)を撮影します。撮影中はじっとしておく必要があるので、睡眠剤を使用することがあります。胸部や腹部は、呼吸性の動きがあるため息止めにて撮影を行いますが、高速撮影を行うことで息止めできない乳幼児でも良好な画像を提供しています。CT検査は、必要に応じて静脈に造影剤を注射することで更にわかりやすく診断に適した画像を得ることができ、当院でも約半数が造影剤を使用しています。

得られたCT画像を用いてさらに画像処理を行い、任意断面像や3次元に構築した画像(3D画像)を作成します。循環器科・整形外科を中心に3D画像の有用性が増しており、年間500件近くを作成しています。

CT検査イメージ

CT検査に関するお願い

  • ・CT検査の前に必要な処置や他の検査を行う事もあり、検査予約時間と来院時間が異なる場合があります。来院時間の再確認をお願いします。
  • ・睡眠剤を使用するときは、検査前の睡眠時間を短くしておくと効果的です。睡眠不足気味での 来院をお願いします。
  • ・造影剤や睡眠剤を使用する場合には食事制限がありますのでご注意ください。

4.MRI検査

磁石と電磁波を使って、体の内部(骨、筋肉や血管といった組織や内臓)のさまざまな方向の断面像を撮影することができます。X線検査とは異なる形態的・生理的・動態的情報を得ることができます。しかし、歯列矯正やペースメーカなど金属や磁性体を装着している場合は、その機器が故障したり、発熱する可能性があるため注意が必要です。X線を使用しないため放射線被ばくの心配はありませんが、検査時間が長く、大きな音がします。

MRI検査イメージ

MRI検査に関するお願い

  • ・安全に検査を受けていただくために、MRIチェックリストは正確に記入をお願いします。
  • ・検査室内へ磁性体(金属等)は持ち込めません。
    入室前に金属チェックを行いますので、アクセサリー、ヘアピン、時計、携帯電話等お持ちの方は、検査前に医師、診療放射線技師または看護師までお申し出ください。
  • ・一日の予約枠が決まっていますので、再度、来院時間と検査予約時間の確認をお願いします。

5.心臓カテーテル検査

心臓カテーテル検査とは、心臓の各部屋や血管に細く柔らかい管(カテーテル)を入れて行う検査です。当院では、先天性心疾患の詳しい診断、手術後の経過観察、治療などで、年間500例以上の心臓カテーテル検査を行っています。使用している血管撮影装置は、心拍数が早い小児に対応できるフラットパネルを装備するなど、小児の放射線被ばく低減を考えた装置となっています。

心臓カテーテル検査イメージ

6.RI検査

検査薬(放射性医薬品)を投与し、体の中の薬の分布を専用の検査用カメラで撮影し、画像や数値として捉える検査です。この検査は、臓器の形態や機能を調べることができます。目的の臓器別に多くの検査方法があり、用いる薬や検査時間が異なります。薬を投与後1回で終わる検査や、1日に数回、更に別の日に分けて検査する場合もあります。

この検査に用いる放射性医薬品は、ある特定の臓器や組織に集まる薬に放射性物質をくっつけたもので、放射線を出す能力(放射能)が減衰するのが大変速く、また尿や便と一緒に体から排泄されます。早いものでは数時間から遅くても数日で放射能が半減し、やがてなくなってしまいます。

RI検査イメージ

放射線Q&A

子供が腹痛を起こし、腹部のX線検査を受けました。子供に放射線による影響はないのでしょうか?

腹部X線検査で受ける被ばくによって、お子さんに放射線の影響が出ることはありません。お子さんの体格によって被ばく量は若干前後しますが、それでも影響が現れる量よりはるかに少ないためご安心下さい。

子供の検査を介助するために、一緒にX線検査室に入ったのですが問題ありませんか?

お子さんを撮影した時に、お子さんの体から散乱線と呼ばれる弱い放射線が周囲へ向かって生じます。介助の際には、鉛入りの防護エプロンを着用したり、防護衝立を使用して頂くので散乱線は遮られます。お子さんと一緒に入室頂いても、X線発生時には必ずX線防護されていますので、被ばくの心配はいりません。

子供が転んで頭をぶつけ、病院で頭部のX線撮影やCT検査を受けました。その後も短い期間に何度も放射線検査を受けたのですが、体に影響はないのでしょうか?

医師は医学的見地から検査が必要と判断し、総合的な検査結果より診断をします。その中には、期間内に繰り返し検査を行い、経時的に異常がないか診ていく必要がある場合があります。頭部CT検査の放射線被ばくの影響が体に現れるかに関しては、科学的には影響があるかはっきりしない、それくらいとても小さなリスクというレベルです。また、必要な検査を受けないことで、逆にお子さんの命に関わる病気を見落としてしまうリスクが高くなります。

将来子供を生みたいと思っていますが、放射線検査で下腹部に放射線が当たっても問題はないのでしょうか?

放射線による影響の一つに「遺伝的影響」がありますが、これまでにヒトで遺伝的影響は確認されていません。また、下腹部(生殖腺)に大量に被ばくする事によって、一時的、もしくは永久的な不妊症を引き起こす場合がありますが、通常の検査では影響が出ない線量で検査を行っていますので安心してください。

放射線検査は安心して受けてよいものでしょうか?

放射線検査は、患者さんの病気の発見、およびそれに伴う健康状態の改善というメリットと被ばくによるデメリットを比較考慮し、デメリットよりメリットの方が大きいことが確認された場合のみに行うこととされています。その際、最小限の被ばく量で検査は行われておりますので、安心して検査を受けていただければと思います。

核医学検査は、放射性物質を体内に投与すると伺いました。放射性物質が体の中に入っても危なくないのでしょうか?また体内にずっと溜まった状態にならないのですか?

放射性物質は、時間が経つにつれて放射能(放射線を出す能力)が減弱する性質があります。核医学検査では、放射能が減る速度が速い薬を使っていますので、長時間体内に残ることはありません。

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