福岡市立こども病院

皮膚科

当科について

診療内容

こども病院の皮膚科では、新生児期から思春期までの間に生じる皮膚疾患を診察しています。皮膚科といえばアトピー性皮膚炎を思い浮かべることが多いかもしれませんが、実は多くの種類の疾患があります。アトピー性皮膚炎を含む湿疹・皮膚炎群、いわゆる“あざ”といわれる血管腫・血管奇形や母斑・腫瘍、ウィルス性発疹症や膿痂疹などの皮膚感染症、難治性である表皮水疱症や魚鱗癬などの先天性皮膚疾患、色素異常症や毛髪疾患など多岐にわたります。先天性皮膚疾患の中には、生涯にわたってケアが必要な疾患もあり、ご家族とともに寄り添っていく必要があります。

 

科の特徴・特色

皮膚から得られる最大限の情報をひきだして、一人ひとりの症状に応じて最適な方法でアプローチします。赤あざ(乳児血管腫・毛細血管奇形など)に対する色素レーザー照射療法(Vbeam)、アトピー性皮膚炎や尋常性白斑、円形脱毛症などに対する紫外線治療(エキシプレックス)、総合診療科と協力してのβブロッカー内服治療、アレルギー科と協力してのアトピー性皮膚炎入院治療なども行っています。またWOC ナース(日本看護協会認定の皮膚・排泄ケア認定看護師)とともに、皮膚ケアに関する問題を抱えたこどもたちとご家族を継続的に支援していけるように努めています。ぜひご相談ください。

 

主な対象疾患

アトピー性皮膚炎を含む湿疹・皮膚炎、血管腫・血管奇形、母斑・母斑症、じんま疹、薬疹、 潰瘍、熱傷、水疱症、膿疱症、角化症、色素異常症(白斑など)、皮膚良性腫瘍、毛髪・爪疾患、皮膚感染症(細菌・ウイルス・真菌・疥癬)、他科疾患に伴う皮膚症状など。

診療科より

外来診療は下記の日程で予約制としております。

全身麻酔での手術は火曜日に行い、基本的には2泊3日です。ただし全身麻酔下レーザー治療については、広範囲の場合を除き、1泊2日入院も行っております。局所麻酔での手術は日帰りで行います。

外来 月曜 午前
水・木曜 午後
 
診療実績

診療実績

2020年4月~2021年3月

外来新患数 647名(疾患数は874例)
Vbeam
(赤あざレーザー)
501例
うち全麻レーザー(1泊2日)12例

2016年9月~2021年3月

ヘマンジオル(βブロッカー)内服治療 46例
 
医師紹介
名前 工藤 恭子
役職 科長
専門分野 小児皮膚科
所属学会

日本皮膚科学会
日本小児皮膚科学会
日本アレルギー学会
日本人類遺伝学会
血管腫・血管奇形学会

主な資格等

日本皮膚科学会認定専門医
日本アレルギー学会専門医

名前 河村 耕治
専門分野 皮膚科一般
所属学会

日本皮膚科学会

FAQ

FAQ

こどものアトピー性皮膚炎は治るの?

乳児期に発症したアトピー性皮膚炎の多くは、学童期や成人期には移行しにくく、自然寛解することも多くあります。アトピー性皮膚炎の皮膚というのは、バリアがダメージを受けた状態です。皮膚には、外界からの異物の侵入や攻撃から体を守り、その一方で体内から水分が蒸散するのを防ぐというバリアの役割があります。バリアが機能していないと、皮膚からアレルゲンが侵入して体が認識し(経皮感作)食物アレルギーを発症しやすいことがわかってきています。食物が腸管から吸収されるとアレルギーを抑えるように働きますので(経口免疫寛容)、過度な食物除去をすることなく、皮膚はつるつるにしておくことを目標にしましょう。

また些細なことでかぶれたり、細菌やウイルスに感染したりするなど、皮膚トラブルを生じやすいため、しっかりとスキンケアをして皮膚バリアを整えることが、こどもの健康を守るために大切です。

スキンケアのポイントは?
健康な皮膚にするためには、皮膚を清潔にすること、保湿をすることが重要です。 皮膚には、汗・ほこり・唾液・食べこぼしが付着していて、炎症が起こる原因になるため、1日1回はシャワー・お風呂に入るようにしましょう。しっかりと泡立てて、指の腹や手のひらで優しく洗います。泡立てるのは、洗浄力を高め、また洗い流す際に洗浄成分が皮膚に残りにくくするためです。皮脂が少ない小児やアトピー性皮膚炎の方には、皮脂をとりすぎない弱酸性の洗浄料をお勧めしています。入浴後は洋服を着る前に保湿をします。こどもに触れてスキンシップをはかることで、ぜひスキンケアを楽しんでください。
保湿剤は何を使ったらいいの?

保湿剤は病院で処方されるものから市販品まで幅広くありますが、使い心地のよいものを選択し、継続して使用していきましょう。肌の調子をみながら、夏はローションや泡、冬はクリームや軟膏など、季節によって使い分けるのもお勧めです。使用量はたっぷりと皮膚が覆われるくらい使用します。

こどもにステロイド外用剤を使っても大丈夫?

皮膚を触ったときにごわごわしたりあかみがあるのは、炎症がある状態です。炎症を起こしていると、保湿剤だけでは治りません。ステロイド外用剤を適切に使用して、炎症をコントロールし、早くバリアを回復しましょう。特に乳児期には、ステロイド外用剤による治療開始が遅れると、食物アレルギーのリスクがあがってしまうことも最近の報告でわかってきています。

2歳以降になるとステロイド以外の抗炎症外用剤(タクロリムスやデルゴシチニブ)が使用できますので、治療の選択肢が増えます。

外用剤は、成人の示指第1関節分の長さを1FTU(フィンガーチップユニット)とし、成人の手のひら2枚分の範囲に外用します。厚めに外用することで、薬や保湿の効果がはっきりあらわれます。プロアクティブ療法という外用の間隔をあけていく手法で、外用量を減らせたり、アトピー性皮膚炎のコントロールをしやすくなることがわかっています。

かゆみがずっと続くと、眠ることにも遊ぶことにも集中できなくなってしまいます。しっかり炎症をとって、健やかな成長を見守りましょう。

あざは治療できる?

あざは赤、黒、茶、青、白、黄色など種類が豊富です。生来ある細胞が部分的に増殖(白の場合は欠失)しており、胎児期に細胞が分裂・遊走する際に部分的に遺伝子変異を生じた結果ともいえます。分布は小さいものから広範囲のものまであり、症候群の一つの症状であることもあります。いずれも胎児エコーではわかりません。生下時からのこともあれば、2歳くらいまでにはっきりしてくることもあります。

赤は血管系の病変で、血管腫・血管奇形とされます。比較的頻度が高い乳児血管腫(いちご状血管腫)は生後増殖し、6か月から1歳頃にピークを迎え、その後数年かけて徐々に退縮します。局面型や腫瘤型、皮下型があり、痕を残すこともよくあります。増殖期の小さいうちにレーザー治療を開始したり、機能的・整容的に支障がある場合には、βブロッカー内服治療が保険適応になっていますので、早期の受診をお勧めします。レーザー治療は、健康保険と乳幼児医療の適応があり、生後1か月から照射可能です。

また茶や黒いあざ、いわゆるほくろであれば、生下時に例えば体幹で7cmの大きさがあると、成人期には20cmになるとされ、巨大色素性母斑と判断します。

あざは、なんらかの症候群の一症状である可能性もあります。またあざの種類によって、治療が可能か必要か、経過をみてよいものか、治療の選択肢がいくつあるか、など異なってきますので、医療機関で相談しましょう。

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