手術・集中治療センター
センターの特徴
手術・集中治療センターは、3階フロアの東側半分に位置しており、麻酔科、集中治療科の二つの診療科と、手術部・中央材料部、PICU(小児集中治療室)、HCU(ハイケアユニット)の3つの治療ユニットで構成されています。
手術部には7つの手術室があります。2つの手術室がバイオクリーンルーム(特に高い清浄度の空気が供給される手術室)で、うち1つは手術中にX線透視・撮影が可能なハイブリッド手術室となっており、血管内デバイス留置と手術の併施など、高度で複雑な手術のための支援設備が整っています。手術を終えて一般病棟に戻る患者さんは、手術部内に3床設置している麻酔回復室(PACU)に一時的に収容し、状態が安定していることを確認した後で病室にお返しします(手術後に集中治療部に入室される患者さんは直接搬送します)。手術部待合室では、個人情報に配慮した上で大型ディスプレイに患者さん毎の手術の進行状況を表示しています。
中央材料部は、手術室や外来・病棟で行う手術や処置に使用する様々な器具類を回収・洗浄・消毒・滅菌し、ニーズに合わせてセット化して院内各所に供給します。一般の方には馴染みのない部署ですが、作業内容は当院が提供する医療の質に直結しており、スタッフ一同、緊張感をもって業務にあたっています。
集中治療部にはPICUとHCUがあります。PICUは、心臓手術直後などの不安定な時期の治療に特化した病棟です。HCUは、大手術後や呼吸不全、ショック状態、その他の重症(外傷・熱傷を除く)患者さんを主な対象としており、心臓手術後や集中治療を要する心疾患患者さんの治療に特化したCCU(Cardiac Care Unit:高度循環器疾患治療室)、脳炎や脳症などの神経疾患の治療に特化したNCU(Neurological Care Unit:高度神経疾患治療室)の機能も含みます。川崎病センター、てんかんセンターの一翼を担いつつ、院内外の様々な重症患者さんの治療にあたっています。
いずれの病棟も、生体情報モニタ、精密輸液装置、人工呼吸器、血液浄化装置、補助循環装置などの医療機器を完備しており、24時間体制で急性期の集中治療を行います。集中治療部では強力な治療を行う関係上、安静を保つために鎮静や鎮痛が必要となり、お子さんとの意思疎通が一時的に困難になることがあります。ご家族の面会時間にも一定の制限を設けさせていただきますが、ご理解・ご協力くださいますようお願いいたします。なお、集中治療部待合室では、面会時間以外もライブカメラで撮影している患者さんのご様子をご家族毎にディスプレイでご覧いただけます。
センター長より
手術を受ける、重い病気にかかるなど、ご本人もご家族も大きな不安を抱えて入院治療に臨まれることと思います。手術・集中治療センターは、手術を受けるお子さんや妊婦さん、大手術を受けたお子さん、重い病気にかかったお子さんなど、当院で最も濃厚な治療を必要とする患者さんに対して、手術や集中治療などの高度な医療を提供します。当センターは、周産期センターと同一フロアで隣接しているほか、心臓血管造影室(心カテ室)を手術部内に設置しています。例えば、胎児診断を受けた赤ちゃんを帝王切開で娩出し、直ちに心カテ室に搬送して出生後の検査や処置を行い、必要であればそのまま外科手術を行ってPICUで術後の治療を行う、という一連の診断・治療を円滑に実施できます。お母さんは産科で入院治療を継続し、ご自身の状態が落ち着き次第、できるだけ早期にお子さんと面会していただきます。
手術・集中治療センターでは、専門診療科、臨床工学部、放射線部、検査部、薬剤部など、院内すべての診療科・部門と緊密に連携し、主治医、麻酔科・集中治療科医師、手術部・集中治療部(PICU/HCU)看護師が一丸となって、24時間体制で全力で治療にあたります。
手術・集中治療センター長
水野 圭一郎