診療内容

こころの診療科では、落ち着きがない、友達とうまく遊べない、勉強が嫌い、学校に行けない、食欲がない、夜眠れない、イライラしていてすぐにカッとなる、などで困っているこどもを診察しています。いわゆる児童精神科です。

精神科といえば、統合失調症、躁うつ病などを診察していると思われる方も多いと思いますが、こころの診療科では神経発達症(発達障害)の患者さんが半数以上です。神経発達症には自閉症スペクトラム障害やADHD（注意欠如・多動症）が含まれています。

神経発達症は、脳の情報処理の機能（認知機能）の一部がうまく発達していないために、症状が発現していると考えられています。自閉症スペクトラム障害では、社会性やコミュニケーションにかかわる認知機能の発達に障害があり、対人関係や集団行動での問題が生じます。ADHDでは集中力などを制御する認知機能の発達に問題があり、じっとできない、落ち着きがない、待てない、すぐに集中が切れる、気が散りやすい、忘れっぽい、などの特性がみられます。

神経発達症の他には、友達とのトラブル、いじめ、学業困難など様々なストレスを原因にして、頭痛、腹痛、倦怠感などの身体症状が出現したり、不登校になっている患者さんも診ています。

科の特徴・特色

子供たちの治療を考えるうえで、まず大事なのが正しい診断です。こころの診療科では、本人との詳細な面談で、言葉を理解したり話したりする力、性格傾向、コミュニケーションの偏りの有無、年齢相応の社会的行動が取れるかどうか、などを評価します。その一方で保護者からは、発達障害に関連の深い言葉やコミュニケーションの発達を中心に生育歴を聞いていきます。また、家庭のことについても、何時に寝て何時に起きるのか、食欲はあるのか、毎日排便はあるか、宿題は何時ごろにするのか、何をしでかして親に怒られるのか、どういうきっかけで兄弟げんかになったりするのか、といった日常生活のことも詳しく聞きます。学校での生活については、直接様子を見に行くわけにはいかないので、何種類かのアンケートを利用して評価を行います。このようにして診断を行った後に、その子に合った適切な対応を考えていくことになります。

こころの診療科では、子供の生活環境を調整するために多くの機関と連携をとります。その子が通っている学校はもちろん、いろいろな療育機関、教育機関、福祉機関、行政機関と連絡します。その中で療育を受けたり、通級に通い始めたり、特別支援学級に通ったりすることで元気になっていきます。そうした対応に加えてお薬での治療が必要な方は、こころの診療科に通院していただいています。

子どもの診察をするときには、子どもが成長の途上にあることに注意するようにしています。診断や性格傾向、その子をとりまく生活環境といった要素を考慮に入れて症状の改善を図り、その子本来の可能性を最大限に伸ばすにはどうすればよいかを考えることが求められます。

診療科より

※新患は，令和7年4月末まで予約が入りましたので，受付を終了しました。

次回の新患予約より、WEB予約に移行する予定です。
予約方法についてはホームページでお知らせいたしますので、ご確認をお願いいたします。

次回の予約受付（令和7年5月-8月分）は，令和7年3月3日（月）12:30に再開し予約枠が埋まるまで受付けます。
次々回の予約受付（令和7年9月-12月分）は，令和7年7月1日（火）12:30に再開の予定です。

当科の診察の対象は小学生・中学生です。
小学校入学前で発達障がいなどの診察をご希望の方は小児神経科にお問い合わせください。
診察は、新患・再来を問わず予約制となっています。
外来のみで、こころの診療科の入院治療は行っておりません。

また、当科では、以下の心理検査・発達検査を行っています。

以下の診断書も作成しています。

主な対象疾患

診療実績

2023年4月～2024年3月