福岡市立こども病院

産科

当科について

診療内容

当院は、地域周産期母子医療センターとして、早産、前期破水、多胎、胎児発育不全、胎児の異常などハイリスク妊娠を対象に妊娠中から出産、そして新生児医療までを一貫して取り扱います。産科救急も24時間体制で受け入れを行っています。

胎児心臓病(先天性心疾患)、新生児外科疾患(消化管閉鎖、臍帯ヘルニアなど)や脳神経外科疾患(脊髄髄膜瘤、水頭症など)など、出生後早期に手術や集中治療が必要となるような胎児形態異常に対しては、関連診療各科との緊密な連携のもとに出生前から治療計画をたてて、出生後の適切な治療へ繋げます。また、胎児異常の診断や子宮内の胎児に対する治療(胎児治療)も行います。当科で扱う代表的な胎児診断と胎児治療を以下に記します。

胎児診断

  • 妊娠初期スクリーニング(NT検査)
    胎児の後頸部の浮腫(NT、Nuchal translucency)の厚さの測定や鼻骨の有無などから染色体異常の確率を計算します。
  • 血清マーカーテスト(クアトロテスト)
    母体血液中4つの血清マーカーを測定し、胎児の21トリソミー、18トリソミー、神経管閉鎖 障害(二分脊椎、脊髄髄膜瘤)の確率を計算する検査です。
  • 羊水検査、絨毛検査
    主に胎児の染色体検査のために実施します。
  • 母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(NIPT)
    母体血を用いた胎児の染色体検査です。日本医学会より実施施設の認可を受け、平成28年11月1日より開始しました。なお、これら遺伝学的検査は周産期遺伝外来で行っていますので、詳細はコチラをクリックしてください。

形態学的検査

  • 妊娠中期・後期 超音波スクリーニング)
    胎児超音波スクリーニングや胎児形態異常の超音波診断も専門としています。
  • 胎児心エコー検査)
    胎児心臓病の専門的な超音波診断を行います。

胎児治療

  • 双胎間輸血症候群(TTTS)に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLP)
    一卵性双胎の一部に起こる疾患で、胎盤表面の血管の交通(吻合血管)が原因で起こります。この吻合血管を内視鏡を用いて同定し、血管の交通を遮断する治療です。(図1)
  • 無心体双胎(TRAPシークエンス)に対する超音波ガイド下無心体ラジオ波凝固術(RFA)
    無心体と呼ばれる双胎妊娠のなかの特殊な病態に対して行う治療です。
  • 胎児胸水に対する胸腔-羊水腔シャント術
    胎児の胸腔内に胸水が多量に貯留する疾患で、心臓を圧迫して胎児は心不全状態となり、胎児水腫とよばれる全身が浮腫んだ状態となります。これに対して、胸水を羊水腔に持続的に排出させる治療です。
  • 胎児貧血に対する胎児輸血
    胎児も様々な原因により貧血となることがあります。貧血が重度となると胎児水腫へ進行して、死亡する場合もあります。そこで、臍帯の中を通っている血管を細い針で穿刺して、胎内で輸血を行う治療です。
双胎間輸血症候群(TTTS)に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLP)イメージ
図1)胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLP)

科の特徴・特色

当院は、周産期医療にも力を入れており、周産期医療の充実を図るべく、平成27年9月に国家戦略特別区域(特区)高度医療提供事業により産科病床6床を増床し、現在は病院3階フロアー内に周産期センターとして、産科は産科病棟24床、母体胎児集中治療室(MFICU)6床を、新生児科はNICU21床、GCU18床を設置しています。九州では初めて双胎間輸血症候群に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術の施設認定を受けました。

先天性心疾患をはじめとする胎児疾病の診断や周産期管理、胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術、ラジオ波凝固術をはじめとする胎児治療に取り組んでいます。また、地域周産期母子医療センターとして、切迫早産や前期破水などの緊急搬送を積極的に受け入れています。

当院は、胎児心臓超音波検査専門施設の認定を受け、胎児循環器科も併設されており、胎児心臓病に対して、出生前から出生後まで一貫した高度な治療を行うことができ、県外からも多くの患者様が受診されています。

周産期医療は、多くの診療科が集学的に協力しあうことが必要な専門医療です。当院における新生児科、心臓血管外科や循環器科等の小児高度医療は、全国の小児専門病院の中でも高い評価を受けております。当院では、胎児に何らかのリスクを伴う妊娠・分娩においては、産科と他科との密接な連携を図り、それぞれの分野に精通した専門医の意見をもとに、個々の症例に対して最適な医療を、必要があればお腹の中から行い、出生後の新生児管理へつなげる周産期医療として提供致します。赤ちゃんの病気については、その病気の内容や出生後の経過、また将来的な展望など、いろいろと分かりにくいことが多いと思いますので、産科だけでなく他科と協力して出生前に患者さんやご家族に対して、できるだけわかりやすく説明できるように心がけています。

重症胎児心臓病の周産期治療

  • 胎児診断

    出生後早期に心臓外科的治療を要する重症心臓病を板敷に診断する。

    胎児診断イメージ

    胎児卵円孔狭窄の超音波所見

  • 循環器カンファレンス

    産科、心臓血管外科、循環器科、新生児科、麻酔科らによる合同カンファレンスにて治療方針を決定する。
    さらに実際のシミュレーションを行い、迅速な治療を目指す。

  • 周産期管理

    計画的に帝王切開を行い、新生児集中管理・心臓外科的治療を施行する。

    周産期管理イメージ01

    帝王切開直後、新生児蘇生を迅速かつ確実に行う。

    周産期管理イメージ02

    新生児手術室やNICUに児を搬送する。

    周産期管理イメージ03
    周産期管理イメージ04

    モニターや点滴ルートの確保、開心術の準備を迅速かつ確実に行う。

診療科より

当科では、胎児心臓病や九州では初めてとなる双胎間輸血症候群に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(上記図1)を中心とする胎児診断・胎児治療に力を入れています。

また、地域周産期母子医療センターとして、地域の産科診療所や周産期医療機関との連携を大切にし、地域全体の周産期予後の向上に取り組んでいます。24時間いつでも妊産婦および胎児に対する高度専門医療を提供できるよう一生懸命頑張っていきます。

電話による初診・再診予約、予約変更

<新患・再来>
092-692-3456(産科予約受付)

問診票 初診時問診票
初診の方は、受付をスムーズに行うため、可能でしたら事前に上記の問診票2枚をダウンロードし、A4用紙1枚に収まるように印刷した用紙に記入のうえご来院ください。
なお、事前のダウンロードやご記入が難しい場合は当日受付でもご記入いただけます。

  • ※月~金 午前9~午後4時の間でお願いします。
  • ※急患の場合は、24時間365日対応いたします。

 

主な対象疾患

主な対象疾患

  • ■胎児遺伝学的検査
    羊水検査、絨毛検査、新型出生前遺伝学的検査(NIPT)、母体血清マーカー(クアトロ検査)、
    妊娠初期スクリーニング検査(胎児NT検査)
  • ■胎児診断
    妊娠中期・後期胎児超音波スクリーニング検査、胎児心エコー検査、胎児血採取、羊水採取、絨毛採取
  • ■胎児治療
    双胎間輸血症候群、無心体双胎(TRAP sequence)、胎児胸水、胎児貧血 など
  • ■周産期救急医療・ハイリスク妊娠
    切迫流早産、前期破水、頸管無力症、多胎妊娠、胎児発育不全、羊水過多・過少、胎児疾患 など
診療実績

診療実績

令和4年度(2023年4月~2024年3月)

新患患者数 701名(うち緊急搬送 101名)
入院患者数 465名
分娩数 309例
  • 帝王切開 123例(緊急帝王切開 85例)
  • 多胎分娩 50例(双胎49例、三胎1例)
胎児治療
  • 内視鏡的胎盤吻合血管レーザー焼灼術 14例
  • ラジオ波凝固術 3例
  • 胸腔・羊水腔シャント術 2例
 
医師紹介
現在、新体制への移行に伴い、医師紹介ページの内容を順次更新しております。
ご不便をおかけしますが、何卒ご了承ください。
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