胎児心臓病の診断と重症度の評価をします。 重症度に基づいて、出生後の治療方針とお産をする施設や生まれてから赤ちゃんを見る 施設を決めます。病気のことや成長の見通しについてご夫婦に詳しく説明します。
胎児循環器科
- 当科について
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診療内容
当科は、胎児(生まれる前の赤ちゃん)の心疾患を専門的に診療しています。妊婦健診などの際に胎児心疾患が疑われた場合には、胎児循環器科外来を受診して頂き、胎児心臓のエコー検査を行います。なお、この時に産科にて心臓以外の異常所見がないかもチェックをします。
胎児心エコー検査で胎児心疾患があった場合は、その病名や胎児の状態を正確に評価し、出生後に必要となる治療についての説明、分娩場所の決定、ご夫婦の心理的なサポートなどを一貫して行います。当院で分娩する場合は、分娩の前に循環器科、心臓外科、新生児科とカンファレンスをして情報を共有し、分娩後の治療方針などを確認しており、児にとって最適な治療を胎児期から出生後まで継続して提供いたします。また、全期間を通してご夫婦の疾患に対する疑問や不安な気持ちがあるようでしたら、医師による状態の説明や看護スタッフ、臨床心理士などにより心理的サポートを行います。
胎児循環器科を受診後の流れ
1.紹介元施設
2.胎児循環器科
予測される出生後早期の治療内容 経過観察のみ 心臓外科的治療 内科的治療 妊婦健診・分娩施設 紹介元施設 当院 紹介元施設もしくは近くの周産期センター 新生児管理施設 紹介元施設
退院後に当院循環器科外来受診当院 紹介元施設もしくは近くの周産期センター
経過を見て当院へ転院3.カンファレンス
胎児循環器科、循環器科、心臓血管外科、産科、新生児科、麻酔科など関連する診療科と合同カンファレンスを行い、分娩時期、分娩方法、出生後の治療方針を決めます。
必要に応じて事前に出生から治療までの流れのシミュレーションを行います。4.周産期管理
計画分娩などにより円滑な新生児集中管理、心臓外科的治療につなげます。
科の特徴・特色
胎児心疾患診療に特化した国内唯一の診療科で、胎児心臓病学会認定の胎児心臓専門施設です。当院は、心疾患を胎児診断から分娩、新生児循環管理、心臓外科治療まで一貫して行える施設であり、全国から胎児心疾患を受け入れています。また、胎児心エコー以外に胎児MRI 検査や胎児心電図、胎児不整脈の胎児治療など専門性の高い医療も提供しています。
診療科より
完全予約制です。当科を初めて受診される場合は、かかりつけ医からの紹介状が必要です。
胎児心エコー外来では、必ず当院産科の診察と胎児全体のスクリーニングエコーを行います。
妊婦さんのみでなく、パートナーと一緒にお越しください。診察後に胎児診断、分娩場所、方法や出生後の治療などを説明します。
- 主な対象疾患
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主な対象疾患
先天性心疾患(左心低形成症候群、大動脈縮窄などすべて)、不整脈(房室ブロック、QT 延長などすべて)、心筋症、心臓腫瘍などすべての胎児心疾患の診療が可能です。
また、
両親や兄弟が心疾患や遺伝性不整脈(QT延長など)、母体抗SS-A抗体陽性、母体糖尿病など、ハイリスク症例の精査も行っています。
- 診療実績
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診療実績
2023年4月~2024年3月
胎児心エコー 症例数158名 件数288回 紹介元 福岡市内 110例 その他県内11例 県外35例 診断 先天性心疾患95例、不整脈13例、その他心異常 10例、心外異常1例、正常39例 疾患分類 ファロ四徴症8例、心室中隔欠損23例、両大血管右室起始5例、左心低形症候群10例、大血管転位症6例、 Ebstein病3例、大動脈縮窄/離断6例、内臓錯位伴うCHD5例、肺動脈閉鎖・重度狭窄3例、総動脈幹症2例、房室中隔欠損8例、三尖弁閉鎖2例 胎児治療 頻脈性不整脈の胎児治療 1例
母体抗SS-A抗体完全房室ブロック 発症予防 1例
Ebstein病の胎児治療 1例
- 医師紹介
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名前 漢 伸彦(Nobuhiko Kan) 役職 科長 専門分野 胎児心疾患、小児循環器、新生児 所属学会 日本胎児心臓病学会
日本小児科学会
日本小児循環器学会
日本循環器学会
日本周産期・新生児医学会
日本新生児成育医学会
日本胎児治療学会
日本超音波医学会主な資格等 小児科専門医・指導医
認定小児科指導医
胎児心エコー認定医
周産期(新生児)専門医
日本周産期・新生児医学会専門医
- FAQ
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FAQ
- 妊娠何週頃より胎児心エコーは可能ですか?
- 妊婦健診で異常は指摘さていなくても、胎児心エコー検査は可能ですか?
- 胎児心臓病があれば、必ず福岡市立こども病院で分娩する必要がありますか?
- 胎児に心疾患がある場合は、分娩前に入院が必要ですか?
- 役立つ情報のリンク
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役立つ情報のリンク