福岡市立こども病院

2016年度

開催日程 年7回(4月~6月、9月~11月、2月)
  • ※ 6月と10月は「東部地区小児科医会」との合同開催です。
場所 2階 講堂
  • ※2022年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、講堂での開催を中止し、Web開催となっております。
時間 19:00~20:30
対象 医療に従事される方が対象のカンファレンスです。
参加費 無料
備考

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初回のみ申込みが必要です。
お申込みは下記のアドレスまでお願いいたします。

お問い合わせ先 【事務局】 福岡市立こども病院 こども病院カンファレンス担当
TEL:092-682-7000
E-mail:mos.k(at)fcho.jp
※ (at)は@に置き換えて下さい。

過去の講演会はこちら

開催回 講演内容
第295回
2016年04月19日
出生前診断について(トピックス)

産科 太﨑友紀子

2012年に新型出生前診断の開始が発表され,大きな反響を呼びました。広義の出生前診断は生まれる前に胎児の状態を把握するためのすべての検査を含むため,遺伝学的検査のみではなく,超音波断層法や胎児心拍数モニタリングも含まれます。出生前診断について知りたいと思う妊婦さんやご家族が増えている一方で,インターネットや雑誌などによって様々な情報が氾濫するようになり,残念ながら間違った情報が含まれていることも事実です。溢れる情報や医療者の偏った認識に翻弄される患者さんも多くいらっしゃいます。今回の講演では出生前診断では何がわかるのか,それぞれの検査の方法や特徴についてお話ししたいと思います。

ムンプス難聴の臨床(トピックス)

耳鼻咽喉科 柴田修明

流行性耳下腺炎(ムンプス)は小児の間で比較的頻度の高い感染症である。その合併症として難聴をおこしうることが知られているが,近年では従来考えられていたより高い頻度でおこっていると推測されている。ムンプス難聴は通常,急性発症の高度感音難聴であり,一側性のことが多いが,時に両側性のこともある。両側性の場合には子どものその後の人生に大きく影響を与える。難聴児の療育なども含め,実際の症例を提示しながら解説する。

開催回 講演内容
第296回
2016年05月17日
小児眼科診療(リフレッシュコース)

眼科 井上 瑠美

眼科では種々の検査機器を使用しますが,成人と違い小児では検査に協力が得られないことも多く,時間もかかります。今回は,小児眼科の代表的な疾患を挙げながら検査や治療を紹介します。全身疾患に伴う眼症状についても触れたいと思います。

胎児心臓超音波検査について 胎児期からの循環器管理(トピックス)

新生児科 漢 伸彦

超音波機器の進歩や胎児診断技術の向上により,先天性心疾患(心奇形や不整脈)は出生前にほぼ正確に診断できるようになった。また診断だけではなく,胎児の血行動態,出生後の状態の予測も可能であり,それらの初見に基づいて計画的に出生直後から最適な治療を行うことができる。たとえば,動脈管依存性心疾患においては,プロスタグランジン剤を出生直後より投与することで,動脈管閉鎖に伴うショックを予防して,予後を改善させることは知られている。今回,胎児心超音波検査が周産期医療に対してどのような役割を果たし,どのように予後を改善していくのかについて症例を提示しながら解説する。

開催回 講演内容
第297回
2016年06月21日
乳児期に上気道病変により狭窄症状を認めた4症例 トピックス

総合診療科 前田 謙一

乳児期の呼吸障害は感染症や異物、気管軟化症等の様々な原因により引き起こされ、時に致死的イベントの原因となる。今回、嚢胞性、腫瘍性病変により乳児期早期に 強い上気道狭窄症状を呈した4例を経験した。3例は直接病変を観察でき、1例はファイバーで声門下の嚢胞を確認した。全例、摘出術により、致死的な窒息イベントをきたす前に狭窄を解除することが出来た。時期を逸することなく治療介入することが重要である。

食物アレルギー最前線 トピックス

アレルギー・呼吸器科 手塚 純一郎

先進国を中心にアレルギー疾患の有症率は増加の一途をたどっており、中でも食物アレルギーは3歳で約20%、小学校以上の児童・生徒でも約5%と多く、かつ日々の食事での対応が必要なため社会的にも大きな問題となっています。かつては安全性を重視し血液検査などをもとに疑わしきは除去するとの対応がとられることも多く見られていましたが、除去がQOLのみならず、発症や予後においてもデメリットが少なからずある事が報告され、現在の治療は正しい診断のもとに必要最小限の除去を行うことが主流となっています。本講演では診断法の進歩や管理方法の変化など食物アレルギー最前線と題してお話ししたいと思います。

開催回 講演内容
第298回
2016年09月20日
ペルテス病(小児大腿骨頭壊死症)治療の実際と最近の展望(トピックス)

整形・脊椎外科:山口 亮介

ペルテス病は、原因不明に小児の大腿骨頭が阻血性に壊死し、大腿骨頭に恒久的な変形が生じて将来の股関節機能障害を引き起こす疾患である。治療法として装具あるいは手術が選択されるが、治癒までには数年におよぶ期間を必要とし、発症年齢が高く壊死範囲が広い場合には大腿骨頭の変形遺残率も高い。 当院でペルテス病患者に対して行っている外転免荷装具を用いた保存的治療や手術治療の実際についてご紹介し、さらに新たな治療法についての最近の展望をお伝えする。

小児の急性脳症 up to date(トピックス)

集中治療科:李 守永

小児の急性脳症は稀ではあるが予後不良の経過をたどる疾患である。近年、病原体、病態に応じて、様々な分類が行われている。発症早期に診断し、治療介入をすることで神経学的予後改善が期待されているが、いまだその治療は確立していないのが現状である。今回のカンファレンスでは最近の急性脳症の話題を概説し、診断における問題点、最新の治療に関して症例検討を交えて、紹介したい。

開催回 講演内容
第299回
2016年10月18日
急性胃軸捻転症の診断と治療(リフレッシュコース)

小児外科:竜田 恭介

胃軸捻転症は胃が生理的範囲を超えて回転した結果、嘔吐、腹痛、腹部膨満などの消化器症状を呈する疾患であり、急性胃拡張から胃穿孔という致命的な結果に至ることも稀ではない。横隔膜疾患や無脾症・多脾症・遊走脾などの脾臓疾患と合併することも多く、先天性心疾患を取り扱う当院においては、特に忘れてはならない疾患である。本疾患は、迅速な診断・治療を要する点でも重要である。当院では開設以来、7例の急性胃軸捻転の症例を経験している。今回は急性胃軸捻転症の解説と当院での症例について報告する。

小児輸液の基本・原則と経口補液のすすめ方(リフレッシュコース)

腎疾患科:郭 義胤

輸液療法について若手医師は何を勉強すればいいか分からないと感じ、ベテランは詳しくは理解せずとも通常は何とかなると思っているのが現状ではないだろうか。わが国ではソリタ®シリーズによる簡便で通常は安全な輸液が50年以上行われてきたことも原因の一つである。しかし低張性輸液による低Na血症が問題視され、もう少し深い理解が必要になった。小児輸液の原則・基本を解説するともにわが国の現状に即した輸液療法を考えてみる。また近年経口補液が一般に普及したが製剤の希釈など一部混乱がみられるのでこれも解説する。

開催回 講演内容
第300回
2016年11月15日
【第300回記念特別講演】小児心臓外科の現況と将来(トピックス)

心臓血管外科 副院長 角 秀秋

こどもの心臓病の外科治療は、診断技術や手術法の進歩により目覚ましい進歩を遂げています。心臓病のこどもたちのQOL向上のために、小児心臓外科医が「これまで」取り組んできたこと、 「これから」目指すものについてお話します。手術法に関しては、至適手術時期の確立、計画的 かつ段階的手術法、低侵襲の手術および体外循環法の開発がキーワードです。手術後は、 成人期の問題に対応できる長期フォローアップ体制の確立が重要です。

開催回 講演内容
第301回
2017年02月21日
心臓CT・MRIによる形態・機能評価(リフレッシュコース)

放射線科 米澤 政人

近年心臓/循環器領域の形態・機能評価において、CT・MRIが果たす役割が大きくなっている。CTによる心臓の形態評価は、拍動のアーチファクトにより以前は評価が限定的であったが、近年の心電図同期撮像の高速化により、新生児等の高心拍症例も含め心内構造の評価が可能となっている。MRIではシネ画像により心臓の任意の部位における壁運動異常・心室容積・駆出率・心筋重量等が、また血流画像により血管の血流量や血流パターンの計測が可能である。症例提示も含め、心臓CT・MRIによる形態・機能評価について概説する。

小児におけるカフ付き気管チューブ使用について(トピックス)

麻酔科 泉 薫

従来小児の気管挿管ではカフなしチューブの使用が推奨されてきたが、適切なチューブサイズ選択の難しさや、多量のリークによる人工呼吸困難など問題も多かった。近年、ごく薄いポリウレタン素材のカフを採用した新しい気管チューブ(マイクロカフ™)が発売され、小児のみならず乳児・新生児においてもカフ付き気管チューブの使用が増加してきている。 小児の気道とチューブ選択に関する最近の知見を紹介し、小児におけるカフ付き気管チューブの利点・問題点などを考える。

開催回 講演内容
第302回
2017年03月14日
感染症・伝染病の変遷と対応(トピックス)

副院長 青木 知信

当院は旧伝染病病院の跡地に1979年4月に感染症部門(成人も含む)が部分開院し、1980年9月に福岡市立こども病院・感染症センターとして正式開院、2014年11月から感染症センターが外れて福岡市立こども病院となった。その間に伝染病予防法時代の細菌性赤痢やO157、1999年の感染症法施行への対応、2005年の福岡西方沖地震、2007年の麻しん、2009年の新型インフルエンザの集団発生等を経験した。成人を含む事例も多く、当院の果たした役割は大きい。

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