2020年度
開催日程 | 年7回(4月~6月、9月~11月、2月)
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場所 | 2階 講堂
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時間 | 19:00~20:30 |
対象 | 医療に従事される方が対象のカンファレンスです。 |
参加費 | 無料 |
備考 |
閲覧には、パスワードが必要になります。 お問い合わせ先 【事務局】 福岡市立こども病院 こども病院カンファレンス担当 |
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開催回 | 講演内容 |
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第324回 2020年06月16日 |
A群β溶血性連鎖球菌の悩み事 ~臨床の現場から~(リフレッシュコース)総合診療科:川向 永記、諸岡 雄也 A群β溶血性連鎖球菌(GAS)は、日常診療の中で最も頻繁に遭遇する病原体の一つです。臨床経過は多彩で、劇症化や急性糸球体腎炎、リウマチ熱などの合併症をきたすこともあります。 また、抗菌薬の選択、投与期間、乳児の溶連菌上気道炎の取り扱い等、いまだに議論がつきません。 今回は、当科で経験した「びっくりしたGAS感染症」を提示するととともに、溶連菌感染症に対するアプローチをみなさまと一緒にアップデートしたいと思います。 環軸椎回旋位固定の保存的治療(リフレッシュコース)整形・脊椎外科:山口 徹 環軸椎回旋位固定は就学前後の幼児・学童期を中心に見られる斜頚、頚部痛、頸 椎可動域制限を三徴とする疾患である。原因は軽微な外力、高エネルギー外傷、 頸部周囲の炎症などで、多くは安静やカラー固定による治療で治癒するが、症状 が遷延化した場合、入院による持続牽引治療を要する。牽引治療は治療開始まで の期間と治療に要する期間は正に相関する。当院での牽引治療成績をもとに診療 の注意点について紹介する。 |
開催回 | 講演内容 |
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第325回 2020年09月15日 |
経口補水液を考える(リフレッシュコース)腎疾患科:前原 健二 経口補水療法 (oral rehydration therapy:ORT) は脱水症・熱中症の予防や治療、輸液 療法の代用として、水・電解質を経口的に補給する治療法である。1970年代に発展途上国 での脱水症の治療成績を飛躍的に改善させたことから注目され、現在では先進国に おいても活用されているが、誤った使用も散見される。現在市販されているイオン飲料や 経口補水液 (oral rehydration solution: ORS) それぞれの特徴や有用性、注意点などを症例 も交えて紹介する。 小児大動脈弁疾患の外科治療(トピックス)心臓血管外科:安東 勇介 小児の大動脈弁疾患に対し、自己肺動脈弁を大動脈弁位に移植するRoss手術が行われて きた。Ross手術は移植弁の成長が期待でき、抗凝固療法が不要などの利点がある。 その反面、手術の難易度が高く、遠隔期の弁機能不全、大動脈拡張、肺動脈弁位に対する 再介入などが課題である。一方、成人領域では大動脈弁形成術が普及してきており、 小児領域でも一選択肢となりつつある。小児大動脈弁疾患の現況と課題について解説する。 |
開催回 | 講演内容 |
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第326回 2020年10月20日 |
小児のCOVID-19~当院の診療状況を含めて~(トピックス)小児感染免疫科:深澤 光晴 2019年末に中国武漢から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、 2020年1月より日本国内でも流行が始まり、休校や緊急事態宣言などで、小児医療にも 大きな影響を与えています。当院でのCOVID-19の診療状況や陽性症例について紹介し、 これまでに明らかになっている小児のCOVID-19の特徴について説明します。 停留精巣の基本的知識(リフレッシュコース)泌尿器科:赤峰 翔 停留精巣は小児泌尿器科疾患の中でもっとも頻度が高く、一般小児科外来や 健診でもしばしば目にすることの多い疾患です。精巣は男性ホルモンを産生する という働きとともに、精子産生という役割も有しており、子孫繁栄にとって重要 な臓器です。 今回は日本小児泌尿器科学会の診療ガイドライン等を踏まえながら、外来で質問 されてもお答えできるよう、停留精巣に関しての基本的知識(病態、診療方針、 手術の実際)を概説します。 |
開催回 | 講演内容 |
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第327回 2020年11月16日 |
愛着障害(リフレッシュコース)こころの診療科:宮崎 仁 養育者に対する愛着行動は乳児期から見られはじめます。愛着形成に不全があった場合 には、その後の対人関係の確立に影響を及ぼす場合があり、発達障害などとの鑑別が問題 となることがあります。今回のカンファレンスでは、愛着行動の基本的なとらえ方と愛着 障害についてお話をします。 こどもの便通異常(リフレッシュコース)小児外科:林田 真 便通異常(便秘、血便)は小児科医にとって最も身近な疾患の一つである。多くは基礎 疾患を有さないものであるが、稀な疾患も隠れていることもある。便秘に関しては使用 可能な新規薬剤が解禁された一方で、整腸薬や食事制限など既存の治療も重要である。 血便も便秘により引き起こされることが多いが、結腸ポリープや炎症性腸疾患などもある ことから早期の適切な治療を要すこともある。今回、当科における便通異常の治療に 対する取り組みを紹介する。 |
開催回 | 講演内容 |
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第328回 2021年02月15日 |
リンパの流れを考える~当院における乳び胸検査・治療の変化(トピックス)循環器科:鈴木 彩代 乳び胸とは、胸管等リンパ系からリンパ液が漏れ胸腔内に貯留することである。乳び胸治療として、脂肪制限、ステロイド等の内科的治療や胸膜癒着療法、胸管結紮等が行われているが、難治性で救命できない症例も未だに存在する。近年当院では、治療抵抗性乳び胸に全身のリンパ系の形態・機能評価を加え、リンパ外科的治療を検討する症例が増えた。当院における乳び胸に対する評価・治療法の変遷を最近の知見と共に報告する。 AHAガイドライン2020(リフレッシュコース)麻酔科:住吉 理絵子 AHAガイドライン2020が発表された。 小児一次救命処置(PBLS)および二次救命処置(PALS)の変更としては ・ 救助者が一人の場合の乳児の胸骨圧迫を、二本指法または両母指で行う ・ 小児の補助呼吸が2~3秒に1回に変更(2010では3~5秒に1回) ・ 小児の高度な気道の確保後の人工呼吸が2~3秒に1回に変更(2010では6秒に1回) ・ 乳児および小児の挿管では、カフ付き気管チューブを選択するほうが妥当 ・ 心停止アルゴリズムでの早期のアドレナリン投与の強調 などがあげられる。それらについて概説する。また、新しい妊娠中の心停止アルゴリズムが追加されておりこれについても紹介する。 |