福岡市立こども病院

2017年度

開催日程 年7回(4月~6月、9月~11月、2月)
  • ※ 6月と10月は「東部地区小児科医会」との合同開催です。
場所 2階 講堂
  • ※2022年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、講堂での開催を中止し、Web開催となっております。
時間 19:00~20:30
対象 医療に従事される方が対象のカンファレンスです。
参加費 無料
備考

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初回のみ申込みが必要です。
お申込みは下記のアドレスまでお願いいたします。

お問い合わせ先 【事務局】 福岡市立こども病院 こども病院カンファレンス担当
TEL:092-682-7000
E-mail:mos.k(at)fcho.jp
※ (at)は@に置き換えて下さい。

過去の講演会はこちら

開催回 講演内容
第303回
2017年04月18日
発達障害について(リフレッシュコース)

こころの診療科 宮崎 仁

発達障害には自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害、学習障害の三つがあり、 育児困難や学校不適応の原因になることがあるため、近年注目を集めています。当日は、 発達障害に関する考え方や対応の原則についてお話をする予定です。

移行期医療支援 -大人になるために必要なこと―(リフレッシュコース)

循環器科 兒玉 祥彦

小児医療の進歩により、小児期発症の慢性疾患患者の多くが成人期を迎えるようになった。従来はこのような成人患者を、小児科医が担当することも多かったが、近年は医療的側面と社会的側面の両面から、可能な限り成人科への転科が望ましいとされている。スムーズな転科にあたっての小児科医の役割の一つは、患者教育・支援であり、これらを含めた診療科変更のプロセスを移行(transition)と呼ぶ。移行期医療の課題について考察し、当科での取り組みを紹介する。

開催回 講演内容
第304回
2017年05月16日
新生児期・乳児期のスキンケア~皮膚はバリアです!~(トピックス)

皮膚科 工藤 恭子

2014年に新生児期から保湿剤を外用するとアトピー性皮膚炎の発症率がさがる、という報告がでて以来、スキンケアの概念がかわってきています。皮膚からの感作を進めないために、ちょっとした湿疹にもぜひ関わっていただければと思います。新生児期から乳児期にかけて、あかちゃんのお肌は変化します。どんなスキンケアを指導したらよいか、当院でお話しする内容をご紹介します。

てんかんとビデオ脳波同時記録 〜それはてんかん発作ですか?〜(リフレッシュ)

小児神経科 中村 涼子

注意しないと見過ごされる発作が潜んでいたり、思いもよらない症状がてんかん発作による場合のことがある。また、非てんかん性発作が難治てんかんとして取り扱われることも少なくない。「長時間ビデオ脳波同時記録」検査により、診断名が変わったり、治療方針が変わることもある。今回ビデオ脳波同時記録の特徴と有効性についてと、当科での事例について紹介する。

開催回 講演内容
第305回
2017年06月20日
解熱後の心臓超音波検査で診断された不全型川崎病の一例(トピックス)

総合診療科 加野 善平,小野山 さがの,古野 憲司

1歳女。発熱でA医院に通院。5日間で解熱するもBCG接種部位の発赤があった為、川崎病を危惧された。別医でのUCGで冠動脈病変が疑われ当院紹介。RCA 3.5mm(Z=6.9), LMT 3.6mm(Z=5.36), LAD 3.5mm(Z=6.1), LCx 2.5mm(Z=3.64)の拡張あり。IVIG+ASAによる治療を行い、拡張は消退傾向にある。 川崎病のうち不全型は20%程度とされているが、診断に至らない例も多数存在し定型例以上に心障害のリスクが高いという報告もある。2017年3月に公表されたAHA Scientific Statementに従い、不全型川崎病を見逃さない為のポイントについて概説する。

今日のVUR診療について~小児膀胱尿管逆流診療手引き2016に沿って~(リフレッシュコース)

泌尿器科 秋武 奈穂子

VURは小児尿路感染の大きな原因の一つであり、日常的にも比較的よく遭遇する疾患です。しかしその診断、管理、治療については種々の意見があり、この現状を踏まえてVUR診療指針となる診療手引きが2016年に発表されました。当院でも今年度から立ち上げられた腎泌尿器センターとして、これまで以上に他科や地域のDrと連携し、集学的かつ小児の成長や個々の患者背景に即した治療を行っていきたいと考えています。 今回は、手引きに沿った形での今日のVUR診療についてお話します。

開催回 講演内容
第306回
2017年09月09日
脊髄係留の病態とその外科的治療(トピックス)

脳神経外科 森岡 隆人

脊髄係留(tethered cord)は、神経管閉鎖不全を病態基盤とする病変によって、脊髄円錐が尾側に固定された状態である。当初無症状なものが、成長に伴って脊髄が牽引されると、尿便失禁や下肢の運動・感覚障害などの神経症状を呈することがあるので、特徴的な皮膚所見からこれらを早期に診断し、予防的に係留解除術(untethering)を行うことが重要である。脊髄係留の原因として、脊髄脂肪腫が最も多く、これは神経管閉鎖不全に伴って中胚葉組織が入り込むためと考えられている。また、近年、限局的な一次神経管閉鎖不全に伴って神経・皮膚組織間の連続性が索状物として残存するlimited dorsal myeloschisis (限局性背側脊髄裂)や、二次神経管の障害に伴うretained medullary cordの病態が注目されている。これらの病態と脳外科的治療ついて自験例で解説する。

新生児マス・スクリーニングの必須事項(リフレッシュコース)

内分泌・代謝科 虫本 雄一

新生児マス・スクリーニングが1977年に日本で始まってから、今年で40年になる。 2014年からはタンデムマス法が導入され、以前は6種類であった対象疾患が20に増えた。先天代謝異常症は希少な疾患であるが、すべての種類を合わせると1万人に1人以上の頻度となる。すべての新生児が対象となる「新生児マス・スクリーニング」は、小児医療に携わる者の必須知識である。今回は、必ず知っておくべき基本的事項を確認する。

開催回 講演内容
第307回
2017年10月17日
症例検討:デング熱の2症例(リフレッシュコース)

小児感染症科 松﨑寛司

海外へ出かける日本人が年間1600万人を超え、年間1900万人を超える外国人が訪れている現代の日本において、あらゆる医療機関において輸入感染症に遭遇する可能性があるといえる。デング熱の患者は全世界で毎年1億人にのぼる主要な感染症ではあるが、国内での感染例は2014年夏に首都圏を中心に162例のアウトブレイクがあるまでの69年間にわたって報告がなかった。輸入感染症の対応は事前に知識がないと難しく、感染症によっては患者の生命に影響したり、アウトブレイクを起こしたりする引き金となりえる。今回デング熱の2症例を経験したのでその詳細な経過と、デング熱の基本的事項を中心に確認する。

頭のかたち外来(トピックス)

形成外科 塚本 歩

「頭の形が変わっている」こどものほとんどは位置的頭蓋変形症(寝癖)や分娩によるものです。ただ,その中には病的頭蓋変形が少ないながら含まれています。頭蓋骨早期癒合症の治療は乳児期が推奨されています。その治療法は単純に頭蓋骨を切りとる方法,頭蓋骨をプラモデルのように組み直す方法,色んな方向に延長する方法があります。頭蓋骨早期癒合症の治療や最近話題となっているリモデリングヘルメットを含む「頭のかたち外来」の現状について紹介します。

開催回 講演内容
第308回
2017年11月21日
小児歯科医が見た最近のこども事情 ~むし歯は減ったのか?顎は小さくなったのか?~(トピックス)

小児歯科 柳田 憲一

少子高齢化社会の中、こどもを取り巻く環境の変化とともに、こどもの口の中も以前に比べると変わってきています。むし歯の洪水と言われた時代はとっくに過ぎ去ってしまいましたが、それでも重症なむし歯を持つこどもはなくなることはありません。また、軟食の時代とも言われ、軟らかい食べ物が氾濫する世の中にあって、こどもの顎の大きさはどうなったのか。むし歯と顎の大きさに焦点をあてて、現在のこどもの口の中事情をお話させていただきます。

ここまで分かる胎児MRI(リフレッシュコース)

産科 北代 祐三

最近,診断技術が向上し胎児期に診断される先天性疾患が増えてきています。胎児診断の方法はその使い易さや安全性から今も昔も超音波検査が第一選択ですが,胎児MRIの進歩もめざましく,超音波検査を補うもしくはそれでは分からなかった新たな情報を私たちに提供し管理方針の決定に役立っています。今回は胎児MRIの有用性について当院で経験した症例を紹介しながらお話します。

開催回 講演内容
第309回
2018年02月10日
こどもの発音(リフレッシュコース)

耳鼻咽喉科 リハビリテーション科:原田恭子(言語聴覚士)

こどもによく見られる発音の誤りには、幼少のため構音の獲得過程にあり、経過をみてもよい症例も多いが、中には、構音が完成されるべき年齢になっても正常構音が獲得されず、誤りが習慣化していることがある。また、発達途上の誤りと異なり自然治癒しにくい音もある。これらの誤り方の特徴や、言語訓練の適応、訓練方法などについて紹介する。

先天性サイトメガロウイルス感染症の現在(トピックス)

新生児科:野口 雄史

サイトメガロウイルス(以下、CMV)感染症は妊婦が感染すると経胎盤移行により胎児に感染する場合があり、出生時に先天性CMV感染症を発症することがある。先天性感染では20%程度において出生時に症状(小頭症、網脈絡膜炎、感音性難聴、脳内石灰化、肝脾腫大、肝機能障害、出血斑、血小板減少、黄疸など)が確認されるが、新生児期に無症候性である場合でも乳児小児期に難聴や発達障害が明らかになる場合があり注意が必要である。近年、日本国内での生殖年齢の女性の抗体保有率が低下しており、先天性CMV感染症の増加が懸念されている。妊婦への教育・啓蒙、早期の診断、治療介入の必要性についてお話しします。

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